海外拠点のネットワーク品質改善とセキュリティ強化を行うには?
- 祥貴 藤村
- 3 日前
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更新日:7 時間前

はじめに:海外拠点のネットワーク
海外に拠点を持つ企業では、現地のネットワーク環境や通信品質に悩まされるケースが少なくありません。 国内のように安定した通信が期待できず、「Web会議が途切れる」「クラウドへのアクセスが遅い」「VPNがすぐ切れる」といった声をよく耳にします。
特に中国では「グレートファイアウォール(GFW)」と呼ばれる通信制限があるため、海外との通信が遅くなったり、特定のサービスにアクセスできないようなケースが多く見られます。
現地の通信事業者やインフラ事情も国によって異なるため、本社側で一括して対処することが難しく、「現地との調整や契約交渉までは手が回らない」、「現地のIT担当者に任せきりになり、セキュリティ状況が見えにくい」、「通信トラブルが起きても、すぐに把握ができない」とお困りの企業も少なくありません。
また、通信品質のみならず、ネットワークのセキュリティ対策、管理体制の構築も同時に検討することが重要です。本社側でしっかりと対策をしていても、管理の手が届かない海外拠点の対策が不十分だと、攻撃者はその弱い部分を狙って社内に侵入してきます。
グローバル化が進むなか、ストレスのない通信環境と、各拠点でばらつきのないセキュリティ体制を整え、全体を統制していくことが求められています。

海外との通信が不安定になるのはなぜ?
理由①:通信が“最短ルート”を通らないから
インターネットの通信経路は、必ずしも物理的に一番近いルートを通るわけではありません。契約上の都合やコスト、政治的な制約などによって、遠回りのルートを通って通信することがあります。
特に、日本から中国への通信は、日本海のルートを通ることの方が少なく、コストの関係からアメリカやヨーロッパを経由していた──というケースは往々にしてあります。その結果、通信の遅延や不安定さにつながります。
理由②:国や地域による“インフラ品質”の差
国や地域によって、通信インフラの整備状況が異なります。これは、インターネットの“道路の太さ”にあたります。同じ交通量であっても、道路の太さ(車線の数)が細ければ、渋滞が起こってしまいます。通信環境でも同じようなことが発生しており、インフラが整っていない国では、多くの人が同時に通信すると混雑が発生し、インターネット通信速度が大きく落ちることがあります。特にインターネットVPNを利用して拠点間通信を実施する場合は、カプセル化処理による負荷の増大から、通信の品質に一層の影響がでます。
また、中国のように通信検閲が行われている地域では、通信が制限され、データのやり取りが遅れたり、途中で切断されたりすることもあります。
このような通信の不安定さは、業務アプリのレスポンスが悪化し、社員の作業効率が下がる原因となります。
海外拠点の運用でこんなお悩みありませんか?
お悩み①:拠点ごとの異なる機器の導入、セキュリティに関する独自ルール
海外拠点ごとに異なるセキュリティ機器を導入し、それぞれ独自のルールで運用しているケースは少なくありません。
その結果、本社のセキュリティ基準を満たしていなかったり、機器の脆弱性対応が遅れてしまったりと、拠点間でセキュリティレベルに差が出てしまうことがあります。
お悩み②:見えないトラブルの発生
インターネットVPNを利用している場合など、拠点ごとに機器や回線が分かれていると、通信障害やセキュリティトラブルが起きても「どこで」「何が」発生しているのか把握しづらくなります。
さらに、海外拠点との情報共有体制が整っていないと、トラブル発生そのものを本社が把握できないケースもあります。
セキュリティインシデントは、初動の早さが被害を左右するといわれます。海外拠点で起きたトラブルも、どれだけ早く検知し、対応できるかが、被害を最小限に抑える鍵となります。
お悩み③:増える拠点、膨らむコスト
海外拠点間の通信を安定させるために、国際VPNや専用線を利用すると、回線コストが非常に高くなります。拠点が増えるたびに新たな契約や設定が必要となり、コストも比例して上昇します。
さらに、各拠点に設置されたセキュリティ機器の保守・更新・脆弱性対応にも手間と費用がかかります。機器が古くなると交換や設定作業も必要になり、現地業者との調整コストが発生することも少なくありません。
結果として、「通信を安定させたい」「セキュリティを維持したい」と思っても、高額な運用費用が足かせとなり、改善が後回しになってしまうケースが多く見られます。
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限られた人員で快適な通信と最新のセキュリティを
解決①:海外との通信も快適に
Cato SASEクラウドは、世界164か所(2025年10月現在)に接続ポイント(PoP)を持っており、接続ポイントをまたがるように世界中に自社専用の通信網を持っています。利用者は常に最寄りのPoPに自動的に接続されるため、地域ごとのインフラ品質の差に左右されにくく、安定した通信が可能です。また、PoP同士は「グローバルプライベートバックボーン」と呼ばれるCato独自の専用ネットワークで接続されており、一般のインターネット経路を通らずに、高速かつ高信頼な通信を実現します。
これにより、海外拠点との通信も快適で、場所を問わず一貫したパフォーマンスを維持できます。
解決②:拠点ごとのばらつきをなくし、セキュリティを統一
Cato SASEクラウドは、各拠点に別々の機器を置いて、各拠点でセキュリティルールを管理する必要はありません。Cato SASEクラウドは世界中に設置された接続ポイント(PoP)を経由して通信を行うため、すべての拠点が同じセキュリティ基準で保護されます。これにより、海外拠点のセキュリティレベルを本社と同等に維持でき、設定ミスや対応遅れのリスクを軽減します。

解決③:トラブルをリアルタイムに把握
Cato SASEクラウドでは、世界中の拠点の通信状況やセキュリティイベントを、一つの管理画面でリアルタイムで可視化できます。
どの拠点で通信遅延や障害が起きているかを即座に確認でき、初動対応を迅速に行うことが可能です。
海外拠点からの連絡を待たなくても、本社側で状況を把握し、すぐに対応できます。
解決④:専用機器やVPNを減らし、運用コストを最適化
Cato SASEクラウドは、ネットワークとセキュリティ機能の両方をクラウド上で提供しているため、従来のように各拠点ごとに専用のVPN機器やセキュリティ機器を設置する必要はありません。常に最新の脅威情報やシグネチャが自動で反映されるため、UTMやVPN機器のように手動で更新作業を行う手間も不要です。
また、セキュリティポリシーも一元管理できるため、これまでは各々の海外拠点に任せていた設定変更や運用を本社側で統制できます。これにより、拠点ごとに設定ミスやルールのばらつきが発生するリスクを防ぎ、全体として安定したセキュリティレベルを維持できます。
さらに、現地業者との交渉や依頼対応にかかっていた時間と工数を大幅に削減できるため、運用コストの削減と管理負担の軽減という両面でメリットを得られます。
まとめ
海外拠点を含むグローバルなネットワーク運用では、通信の不安定さや高額なVPNコスト、拠点ごとに異なるセキュリティ運用など、難しい問題が数多く存在します。特に「現地との交渉や運用調整に時間を取られてしまう」、「想定していたセキュリティレベルで運用がなさいれていない。」といった声は、多くの企業から寄せられています。
Cato SASEクラウドなら、海外拠点を含むすべての通信とセキュリティをクラウド上で一元的に管理し、各拠点のばらつきをなくすことができます。現地業者との調整や機器のメンテナンスに追われることなく、グローバル全体を安全かつ安定した通信環境でつなぐ仕組みを実現します。
『現場の負担を減らしながら、安心して海外拠点を運用できる環境をつくる。』
それが、Cato SASEクラウドが提案する“次世代のグローバルネットワーク運用”のかたちです。
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